2016年6月11日に大手プロダクション「マークスジャパン逮捕」、7月8日最大手AVメーカー「CA逮捕」と、アダルト業界はこれ以上ないほど危機に立たされています。
当然、業界のことを何も知らない人たちからすれば・・
- なんて酷いことをするんだ
- 想像通りの業界だわ
こんな口コミがネットには溢れています。
しかし、実際に働いているAV女優さんたちは「そんな事実はどこにもない!」と反論しており、一体何を信用して良いのか分からなくなっている人も多いことでしょう。
私は長年業界に携わってきたので、訴えを手助けしているNPO法人や、適当なことを言っているネットメディアとは違い、プロダクションや撮影現場での実態を全て知っています。
偏ったテレビなどの情報しか知らないと思うので、誰も触れない事実を暴露していきます。
撮影が行われるまでの流れ
まずは、AVの撮影現場が組まれるまでにどのようなことが行われているのか説明します。「そんなことまでやってるの?」とビックリされる方も中にはいるかもしれません。
宣材写真の撮影
女の子がAV女優としてプロダクションに所属してはじめに行うのが「宣材撮影」となります。
お仕事をもらう為には必須の営業ツールであり、事務所によって違いはありますが、白ホリと呼ばれるスタジオを借りて撮影することもあります。
スタジオを借りるのに3~5万、ヘアメイクに1~3万、カメラマンに2~5万程度の費用が掛かりますが、もちろん女優さんの負担は1円もありません。
但し、中にはマンションの一室を事務所にし、数人のスタッフで運営しているプロダクションも存在し、スタッフ自らカメラを持って撮影する場合もあります。
そして、撮影した写真データを加工して宣材プロフィールを作成します。
マネージャー同伴でAVメーカーへ面接
宣材が出来上がるとプロダクションの営業マンがメーカーへ配りに行きます。その中で反応が良いところがあれば、マネージャーと一緒にメーカーに伺い面接をしてもらいます。(1人で行かされることはありません。)
プロデューサーの方に様々なことを質問され、企画している作品に適しているかの確認をされます。その際に聞かれることを簡単に紹介しておきます。
- セックスで得意なプレイ
- これまでの男性遍歴
- 今後やってみたいエッチなこと
- 絶対にしたくないNG項目
一般の方にはセクハラともとれる質問ですが、セックスをお仕事とするAVでは特に笑いもなく進行します。一通り面接が終わったら、最後にメーカーの方と女優さんだけ別室に行き、全裸(パンツ一枚)の写真を撮って終了となります。
メーカーから仕事の依頼
女優さんの年齢や容姿によっても違いますが、面接を行ったメーカーが興味を持ってくれるとお仕事の依頼がきます。その際、すぐに女優さんへは伝えず・・
- NG項目がないか?
- 女優さんのブランドを損なわないか?
- ギャラが見合っているか?
その他諸々の確認をすべて行います。
この辺りはマネージャーの力量にもよるので、メーカーから依頼された内容をそのまま伝えるプロダクションだと、女優さんが不安な気持ちで撮影に至ってしまう可能性もあるでしょう。
プロダクションはメーカーと女優さんを繋ぐ大切な存在でなのです。
女優さんに仕事内容の確認
女優さんが不満に感じることを一切なくした状態で「撮影内容の確認」を行います。
基本的な確認内容としては本番の有無、コンドームの有無、どういった企画か、撮影所要時間です。前もってマネージャーがNG項目などを確認しているので、そこで女優さんに断られることはあまりありません。
ただ、悪質なプロダクションの場合、断られるのを避けるために虚偽の内容を伝えたり、無理強いして説得することもあります。
稀なケースではありますが、このようなプロダクションが業界の評判を下げる原因となっています。
監督面接で具体的な内容の打ち合わせ
女優さんがメーカーからの依頼を承諾すると、更に具体的な撮影内容のすり合わせで、実際に現場を統括する監督との面接があります。
これはあくまで仕事を行うことが決まったうえでの面接なので、以下のような簡単なものとなります。
- お昼ご飯は何を食べたいか
- 間食にどんなお菓子があると嬉しいか
- 撮影でスタッフが沢山いても恥ずかしくないか
- どんなタイプの男優がいいか
基本的に撮影する女優さんを中心に物事が進んでいくので、ちょっとしたお姫様気分を味わえる感じです。
※企画女優の場合は監督面接がないこともあります。
エイズ・性病検査
中だしの撮影に限らず、万が一のことに備えて「性病検査」を必須とするメーカーが増えてきました。
女優さんのカラダはもちろん、男優さんにも感染するリスクはあるので、AVの撮影に出演する人なら最低でも月1度くらいは検査しています。
「AV女優さんたち性病大丈夫なの?」
このような質問をされること事が多いですが、私の感覚では一般女性の方がよっぽど性病に感染しています。皆さんが思っているより性に対しては真面目な業界なんです。
撮影当日
上記で説明したことを全てクリアした後、ようやく1つの作品となる撮影となります。当日は以下の流れで1日が進んでいきます。
- 指定された場所に集合
- 制作会社が用意した車で撮影場所へ
- スタジオに到着したらヘアメイクさんに髪の毛、化粧をしてもらう
- 撮影
- 終了したら車で送迎してもらって終了
単体や企画単体など大掛かりな作品の場合、2日間に渡って行われることもあります。また、はじめての女優さんだと1日中マネージャーが付きっきりで現場にいてくれる事務所も多いです。
AV撮影現場でタブーとなっていること
ここまで説明してきたのは一般的なメーカー及びプロダクションのことで、ここからはAVの信用を失墜させている「業界の輩」たちの悪行を紹介します。
私はAVに対して全面的に肯定する人間ですが、世間で言われているような悪人がいないというのは嘘と断言します。やはり他の業界よりは多いのでは…と感じているので、少しでも減らすために包み隠さず公表させてもらいます。
中だしで妊娠や性病感染したAV女優はいる
モザイクの大きさが極小になった今では、挿入しているフリ(疑似セックス)は通用しなくなりました。その為、最近のAVには「中だし」が当たり前の時代となり、できない女優さんは仕事が減ってしまうほどです。
中には好きな子もいるでしょうが、ほとんどの女優さんはできればしたくない行為であることは明らかで、その理由に妊娠と性病リスクがあります。
もちろん避妊対策は万全に行っていて、撮影が決まったらピルを服用し始め、更に撮影当日前後にも服用します。この対策を行えばほぼ100%妊娠することはありませんが、極わずかのメーカー及び制作会社が怠っていることがあるのです。
生中だしをする時は女優さんの性病検査とピルの服用、男優さんの性病検査が必須です。
しかし、診断書の確認を怠ったり、ピルを服用したか目視で確認せず適当に進めてしまう悪質な「メーカー及び制作会社」が存在します。
その場合、最悪なケースでは妊娠してしまい、運良く妊娠しなくても性病に感染してしまう恐れがあります。男優、女優はカラダが資本なので、もしそういった被害に遭ってしまうと長期間仕事をすることができません。
当然、それなりの賠償はしてもらえますが、運悪く金銭的に余裕のないメーカーだとしっかり払ってもらえる保証はありません。ちなみに私が関わった女優はほぼ貰えず泣き寝入りでした。
絶対に運では済まされない問題なので、いい加減なメーカーを0%にするのが望まれます。
AVの中だしについて
相場をはるかに下回るギャラ
AV女優さんのギャラについては謎に包まれている部分ではありますが、本人の手に渡るまでの経緯を簡単に説明しておきます。
- 仕事の依頼を受けた際にメーカーとプロダクションが交渉して決める
- 女優さんに「今回は○○円で撮影内容は××」と伝える
- 撮影が終わった月の翌月末あたりに払われる
上記は企画単体、企画の女優さんのケースで、単体のようにメーカーと3ヵ月~12ヵ月の拘束契約では、はじめに1本あたりのギャラを伝えられます。それ以降は撮影ごとに一定額(変動もあり)のギャラが支払われ、拘束期間が解けると延長もしくは企画単体に移行します。
ここで問題となってくるのが総ギャラの何割もらえるのか?
プロダクションによって違いがありますが、4割~5割のギャラを渡しているところなら良心的と言って良いでしょう。しかし、その相場を下回るところが多いという現状があります。
以前、私が関わっていたプロダクションでも、同様の手口で大きな利益をあげていたので暴露させてもらいます。
今でも知名度はトップクラスの女優Oは、デビュー前から出版各誌も注目していたこともあり、1本目のギャラは500万円と単体の中でも上位の方でした。
所属しているプロダクションと女優Oの間では、ギャラの配分を取り決めしていて4割はもらえることになっていたようです。セックスに慣れている女の子ではなかったので、1本目はパッケージ撮影も含みで2日撮りの予定が、4日も掛かる長丁場となりました。
そして、念願のギャラを受取る日(当時は現金支給)がきて、お札を数えてビックリ…。
80万円しか入ってなかったのです。仕事には関わっていませんでしたが、その女優と仲が良かったとこともあり、大体の総ギャラを知っていた私は「おそらく200万円以上はあると思うよ」と伝えていました。それがまさかの半分以下。
ただ、彼女もお金のことで揉めたくない気持ちが強く、約2年以上も1本目のギャラ以上は受取ることはありませんでした。なぜそんな卑劣なことがまかり通るのか?それには様々な理由があります。
- プロダクションに文句を言わせない空気がある
- 総ギャラを聞いてもウヤムヤにされてしまう
- メーカーなどもギャラに関しては一切答えない
- 悪質なスカウトマンが私腹を肥やしている
最も悪質なのは所属しているプロダクションではありますが、騙していることを容認している周りにも問題があります。
暴利な運営を続ける悪徳プロダクションを撲滅させ、彼女のような被害者を減らすためには、リアルなギャラを開示する仕組みが絶対に必要だと思います。
アダルト業界のギャラについて
撮影当日にNG項目をやらされる
私がスカウトをしてAV女優になった女の子で、所属したプロダクションから撮影当日まで聞かされていないプレイをされ、撮影後に相談され事務所を移籍した実体験を紹介します。
現在でも活動しているプロダクションなので、本当は実名を公表したいところですが、逆恨みが怖いので今回は「事務所M」とします。
AVには女優が犯されている演技をする「陵辱」というジャンルがあり、メジャーでないにしてもコアなファンが多く今も昔も人気があります。そのジャンルでのオファーを受け、本来あるべき監督面接がなかったようですが「楽な撮影だから大丈夫!」と事務所Mからは言われたそうです。
撮影当日、マネージャーと現場に入り用意されていた台本を読んだところ、恐ろしいプレイ内容が記載されていました。
その内容とは「本当に痛いプレイ」を沢山され、更にNGにしていた浣腸をされるといったものでした。ちなみに彼女のNG項目は・・
- 跡になるような痛いこと
- アナル全般・スカトロ
AV女優の中ではNG項目が少ない方ですが、唯一NGにしていたプレイの両方が台本にあったのです。すぐにマネージャーへ電話して「NGだからできない」と伝え、監督にそのことを言ってもらいました。そして、その後マネージャーから言われたのが
「現場飛ばしちゃうと違約金請求されるから頑張ってくれない?」
何とか出来るプレイに変えてもらえると思っていたので、マネージャーの言葉に呆れ果て私のところに電話が掛かってきました。
所属させた責任もあったので事務所Mの社長に電話をし、ここまでの経緯をすべて説明しました。すると社長さえも女優を口説いてくれないか?と言ってきたので、現場まで彼女を迎いに行きその撮影は飛ばさせました。
その後、違約金をギャラから差し引くと言われたそうですが、話し合いの結果、プロダクション側の不手際ということでまとまりました。
もちろん、すぐに別のプロダクションへ移籍させ、同じようなトラブルは一切なく5年ほど活動を続け引退しました。事務所Mが今でも存在することに憤りを感じますが、当サイトに相談してきた女の子には絶対勧めることはありません。
本当は出たくない作品に嫌々出演している女優が多い
上記のトラブルに少し似ている感じもしますが、AVでレイプ作品に出演している女優さんは、自らの希望で出演していないことをご存知でしょうか?
現在のAV業界は需要と供給のバランスが崩れており、レベルの高い女優さんが増える一方、DVDの売れ行きが悪く仕事を依頼するメーカーが潰れ続けています。
その事からよっぽど発言できる女優以外は「仕事を選ぶ」余裕はなく、以前であれば断っていた仕事でも受けざるを得ない状況になっているのです。また、その弱みにつけ込むメーカーがいるのも事実で、業界が乱れる原因になっています。
本来、AV女優をプロデュースする事務所の戦略は、ノーマルなセックスをする作品に出来るだけ出演させ、それまでやってこなかったプレイを一つずつ解禁するのが常套手段となります。
しかし、デビューしてすぐにやり尽くしてしまうと、AV女優としての寿命を最短に縮められ運営に行き詰まってしまいます。そうなると約束したギャラを間引いたり、NGを解禁するように説得してしまう負のスパイラルに陥るのです。
じゃあメーカーがもっと業界のことを考えれば?と思うでしょうが、メーカーが潰れたら更に困るのがプロダクションであり女優です。
そもそもDVDの売れ行きが良くなれば解決する問題で、直接的に悪影響を及ぼしている著作権を無視した「無料動画サイト」を根絶する必要があります。ただ、一切無くなるとこの記事をご覧になっている大勢の方が困りますよね?
この問題はすごく根が深いところにあり、一筋縄では解決しないことが分かったと思います。
まとめ
AV撮影の流れ、現場でタブーとなっていることを説明しましたが、人前で裸を晒し頑張っているAV女優さんの為にも、もっと安心して働ける環境になることを願ってます。
その為にも業界で起こっている真実から目を背けずに、一般の方たちから少しでも理解されるように、これからも当サイトでしか知ることのできない情報を発信し続けていきます。
それでもなかなか悪い人たちの存在を消すことはできないので、公表したい真実がある方は是非コメントください。内容を確認して世に広めた方が良いと判断できたら、私なりの書き方で記事として更新させていただきます。